現在、お菓子キャラクターを巡るビジネスモデルは歴史的な転換期を迎えています。かつては「子どもにパッケージを認識させて買わせるための記号」に過ぎなかったキャラクターたちが、今や「大人世代が自ら進んで身につけるレトロIP」として莫大な経済効果を創出しているのです。
現場のリアルな実態を示す象徴が、全国の大型商業施設に増設され続けるカプセルトイ(ガチャガチャ)専門店です。お菓子のパッケージを精巧なミニチュアにしたキーホルダーや、マスコットのソフビフィギュアは、1回300円〜500円という価格設定ながら、入荷直後に即完売するケースが相次いでいます。SNSの購入報告を分析すると、購入者の約7割が20代〜40代の成人女性およびコレクター層で占められています。
「子どもの頃に遠足のおやつとして買ってもらった思い出が、キーホルダーを見るだけで一瞬で蘇る」「派手すぎず、昭和レトロなエモいデザインがバッグのワンポイントとしてちょうどいい」といった声がコミュニティ内で多数確認できます。メーカー側もこの熱狂を明確に捉えており、しまむらやユニクロとのアパレルコラボ、公式ライセンス許諾による文具・インテリア雑貨の発売を積極的に推進しています。お菓子自体の利幅が薄いインフレ環境下において、ライセンスアウトによる版権ビジネスは製菓会社にとって極めて高収益な柱へと成長を遂げました。