「38.8度の高熱で病院に行ったのに、入口の機械では36.4度と判定されてそのまま待合室に通された」――SNSに投稿されたこの告発は瞬く間に数万件のリポストを集め、激しい炎上へと発展した。院内感染を恐れる患者たちから「検疫の役割を果たしていない」と怒りの声が殺到した出来事だ。
この炎上の背景にあるのは、単なる個体の故障ではない。赤外線測定の物理的特性だ。人間は発熱すると、体温を逃がさないように末梢血管を収縮させる。結果として、一時的に額や手足などの皮膚表面温度が急激に下がることがある。つまり、体幹部が煮えるように熱くても、額の表面は冷たいという現象が臨床的に起こりうる。高熱患者ほど表面測定ですり抜けてしまうというパラドックスが、ネット上の怒りに火をつけた。