健康意識の高い人であっても、知らず知らずのうちに膵臓へ猛毒を送り込んでいるケースが散見されます。その代表例が、「良質な脂質神話」に惑わされた油の過剰摂取です。
オリーブオイルやMCTオイル、アマニ油などは確かに血管や脳にとって有益な不飽和脂肪酸を含んでいますが、「膵臓にとって油は油」に変わりありません。どのような高級オイルであろうと、胃から十二指腸へ油が入った瞬間にホルモン(コレシストキニン)が分泌され、膵臓はリパーゼを絞り出すためにフル稼働を強いられます。「健康にいいから」とサラダにドレッシング代わりのオイルをドバドバかけたり、完全無欠コーヒーと称してバターやオイルを溶かして飲む習慣は、疲弊した膵臓に鞭を打つ自殺行為になりかねません。
そして、最も壊滅的な打撃を与えるのがアルコールと高脂質の組み合わせです。アルコールは膵管の出口にある括約筋を痙攣させて膵液の流れを滞留させる一方、膵液そのもののタンパク質濃度を高めてドロドロのゼリー状に変質させます。流れ場を失った強力な消化酵素が膵管内で詰まり、あろうことか「膵臓自身を自ら消化し始める」という恐ろしい事態を引き起こすのです。これが急性膵炎の正体であり、一度火がついた膵炎は劇症化して多臓器不全に至るリスクを孕んでいます。
さらに、清涼飲料水や菓子類に含まれる「異性化液糖(果糖ブドウ糖液糖)」も厳重な警戒が必要です。液体の糖分は胃での消化を経ずに瞬時に小腸へ届き、急激な血糖値スパイクを引き起こします。これに対抗するため、膵臓のランゲルハンス島は限界を超えてインスリンを連打せざるを得なくなり、短期間で膵機能を焼き切る原因となります。