志々雄真実の女・駒形由美はなぜ刺されて歓喜した?壮絶な最期と愛の真相

志々雄真実の女・駒形由美はなぜ刺されて歓喜した?壮絶な最期と愛の真相

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作中でるろうに剣心 志々雄の女として強烈な存在感を放つ駒形由美ですが、彼女が志々雄の野望に身を投じた背景には、明治維新という近代化の陰で切り捨てられた壮絶な過去が存在します。由美はもともと新吉原で最高位を極めた花魁でした。教養と美貌を兼ね備え、多くの男たちを跪かせてきた彼女の人生を一変させたのが、明治5年(1872年)に実際に起きた歴史的事件「マリア・ルス号事件」です。

横浜港に停泊していたペルー船内の清国人苦力(クーリー)の虐待を巡り、明治新政府は国際社会に向けて「人道と正義」を標榜して彼らを解放しました。ところが、その裁判の過程でペルー側から「日本国内の遊女や芸娼妓の人身売買こそ奴隷制度ではないか」と厳しく突かれた政府高官らは、苦肉の策として芸娼妓解放令を発布。しかし、法廷闘争の場で政府側弁護団が言い放った理屈は、「遊女や芸者は牛馬と同類であり、人間としての権利を持たない存在だったのだから人身売買には当たらない」という極めて無慈悲な侮辱でした。

人間としての誇りを根底から踏みにじられた由美の怒りは頂点に達します。「口先では文明開化や人道を唱えながら、自国の弱者を家畜扱いして恥じない偽善国家」。この底知れぬ絶望と憎悪を抱えていた時期に現れたのが、かつて新政府の手によって焼き殺されかけ、全身を包帯で覆いながらも復讐と国盗りに燃える志々雄真実でした。駒形由美と志々雄真実の出会いの経緯は、国家の欺瞞に対する復讐者同士の魂の邂逅であり、出会うべくして結びついた必然の巡り合わせだったのです。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。