金曜ドラマの熱狂から一転、NHK連続テレビ小説に乗り出した宮藤が放った『あまちゃん』は、日本中に「じぇじぇじぇ」の旋風を巻き起こした。過疎化に悩む東北の港町と東京のアイドル業界をテンポ良く行き来する展開は、これまでの朝ドラの固定観念を根底から砕いた。
宮藤が真骨頂を発揮するのは、緻密に計算されたコメディドラマの構造だ。一見すると脈絡のない会話劇の中に、伏線が張り巡らされ、クライマックスで一気に収束する。不条理なギャグの合間にのぞく家族の絆や葛藤が、観る者の涙腺を容赦なく刺激する。笑いと涙を同次元で成立させるこの手法こそ、彼が天才と称される最大の所以である。