日本の軽自動車市場で7割近いシェアを奪うスーパーハイトワゴンですが、ユーザーから最も多く聞かれる不満が「思ったよりもガソリンの減りが早い」という燃費性能に対するギャップです。ホンダN-BOX実燃費の平均15.4km/Lや、スズキスペーシア燃費評判で見られる17.6km/Lという実測値は、アルトなどのセダン型と比べるとリッターあたり6〜8km/Lもの大差をつけられています。
軽自動車の排気量は、法律により一律で「660cc」と厳格に定められています。この限られた排気量のエンジンで、普通車並みの装備と1トン近い巨体を動かさなければならない点に、スーパーハイトワゴンの燃費悪化を招く構造的要因が潜んでいます。
第一の壁は、前面投影面積の大きさと空気抵抗です。全高が1,780mm〜1,800mmに迫るスクエアなボディは、走行中に巨大な空気の壁を押しのけて進むことと同義です。時速40kmを超えるあたりから空気抵抗は急激に増大し、時速80kmの高速巡航ではエンジンの回転数を高回転域に保ち続けなければ速度を維持できません。
第二の壁は、小排気量エンジン特有の「エアコン負荷」と「熱管理」です。天井が高く広大な室内空間は、夏場にエアコンのコンプレッサーをフル稼働させ続けることを強います。660ccの自然吸気(NA)エンジンにとって、エアコン作動によるパワーロスは致命的であり、信号待ちからの再発進でドライバーは無意識にアクセルペダルを深く踏み込むことになります。この「踏み込みの深さ」こそが、カタログ値との乖離を25〜30%にまで押し広げる最大の主犯格です。