映画の記録的なヒットによって一躍時代の寵児となった彼女だったが、過熱する報道や世間の好奇の目から距離を置き、公務員としての本分を守り続けた。やがて運命的な出会いを経て結婚し、白井のり子としての新たな人生を歩み始める。
両腕のない彼女にとって、妊娠と出産、そして子育ては未知の挑戦の連続だった。足を使って我が子を抱き、おむつを替え、離乳食を食べさせる日々。そこには映画以上の試練と、それ以上の深い家族の絆が存在していた。彼女は後に上梓した著作や講演の中で、周囲の温かな支えに感謝しつつも、母親として子どもたちと真摯に向き合ってきた日常を飾らない言葉で語っている。自らの運命を言い訳にせず、母親としての役目を全うしたその軌跡こそが、彼女の真の強さの証左といえる。