国土交通省が発表する住宅着工統計の推移を辿ると、延床面積の平均値は縮小傾向を辿る一方、平屋住宅への建て替えや住み替えの比率は右肩上がりを続けている。世帯人数の減少と高齢化が、巨大な家を「管理不能な重荷」へと変えたからだ。
ここで気になるのが、中古住宅市場における資産価値だ。完全な平屋はシニア層から絶大な人気を誇り、高値で取引される傾向がある。一方で、子供部屋だけがちょこんと2階に乗った家屋は、市場でどう評価されるのか。
不動産鑑定の現場では、1階に主寝室がある間取りは「実質的な平屋」として評価されやすく、階段の上り下りを嫌う中高年の買い手にも訴求しやすいという見解が優勢だ。ただし、外観の凹凸が多すぎると外壁のメンテナンス費用が割高になり、査定時にマイナス要因として働くリスクを孕んでいる。フォルムをいかにシンプルに保つかが、将来の売却益を左右する。