インターネット上でミーム化された誤った動物像は、本格的な自然ドキュメンタリーの現場にも大きな影響を与えている。これまで『プラネットアース』をはじめとする歴史的名作を手掛け、デヴィッド・アッテンボロー卿の語りとともに野生の真実を届けてきたBBCや、ナショナルジオグラフィックといった世界的メディアの撮影クルーは、音響収録の精緻化に乗り出している。
かつてのドキュメンタリー制作業界では、映像に合わせて効果音をスタジオで再現する手法も一部で用いられていた。しかし、SNSでフェイク音源やミーム拡散が横行する現代において、真実の生音を届ける価値がかつてないほど高まっている。最新の指向性マイクやAI音響分離技術を駆使し、過酷な山岳地帯でマーモットの純粋な警戒声をクリアに捉える取り組みが、新たな映像表現の標準となりつつある。