封筒に切手を2枚貼る際、最も迷いやすいのが「どの位置にどう並べて貼るか」という点です。郵便物の形状が縦長か横長かによって、切手を貼るべき指定位置は明確に異なります。このルールは単なる慣習ではなく、日本郵便が定める機械仕分けの構造上の要請から生まれたものです。
日本郵便の公式規定(内国郵便約款および表示基準)によると、郵便物における切手の貼付位置は「縦長封筒なら左上」「横長封筒なら右上」と定められています。なぜ横長に置いた途端に左右が逆転するのかと疑問を抱く方も多いですが、これには明確な物理的理由が存在します。
郵便局の集中処理施設に集まった膨大な郵便物は、「郵便区分機」と呼ばれる高速自動読取機にかけられます。この機械は郵便物を縦方向に立てた状態で、秒速数十通という驚異的なスピードで搬送しながら「郵便番号」と「切手の位置(消印を押す場所)」を光学スキャナーで検知します。横長封筒を機械に投入する際、右側を上にして時計回りに90度回転させた状態でセットされるため、封筒の「右上」に切手があると、機械にとっては縦長封筒と同じ「左上エリア」に切手が現れる仕組みになっているのです。
公式に指定されている消印スペースは、基準となる角から「縦7.0cm×横3.5cmの長方形エリア」です。この枠内に収めるための2枚の並べ方は以下の通りになります。
【縦長封筒の場合】
封筒の表面左上を起点とし、「縦に2枚並べて貼る」のが基本です。横に並べてしまうと横幅3.5cmの検知枠をはみ出しやすく、受取人の住所や宛名の記載スペースを圧迫してしまいます。上下の順番については、一般的に「上段に金額の高い切手、下段に金額の低い切手」を配置すると、全体の重心が安定して美しい視覚的バランスを保てます。
【横長封筒の場合】
封筒の表面右上を起点とし、「横に2枚並べて貼る(左から右へ並べる)」のが原則です。縦に2枚並べてしまうと、機械投入時に下方向へ伸びてしまい、縦7.0cmの読み取り有効範囲から外れる恐れが生じます。右上のスペースに余裕を持たせ、水平に隙間なく並べる配置が最も安全かつ端正に見えます。