五箇条の御誓文の言葉は簡潔だが、一字一句に計算された意図が潜んでいる。第1条「広く会議を興し、万機公論に決すべし」。これは意思決定を一部の権力者に独占させず、議論によって国政を動かすという宣言だ。第2条「上下心を一にして、さかんに綸言を行ふべし」は、官民が一体となって国力を高める必要性を説いた。身分を超えた協調精神の提示である。
第3条「官武一途民心に至るまで、各々その志を遂げ、人心の疲わざらんことを要す」は、職種や身分にとらわれず、個々の人間が自己実現を果たせる社会を目指した。第4条「旧来の陋習を破り、天地の公道に基くべし」は、鎖国や封建的慣行という古い価値観を捨て、国際標準の正義に従う決意だ。そして第5条「智識を世界に求め、大いに皇基を振起すべし」によって、海外の高度な文明を取り入れるオープンな国家像が完成した。