水田地帯が広がっていた越谷の地に、なぜこれほど大規模な観光農園が誕生したのか。その背景には、都市近郊の特性を最大限に活かした「越谷市農業振興プロジェクト」の存在がある。単なる農産物の出荷にとどまらず、都市住民が農地に直接足を運ぶ観光農業への転換を地域一体となって推進してきた。
その中核を担ったのが、「越谷市農業技術研究会いちご部会」に所属する熱心な生産者たちだ。栽培技術の標準化や土壌管理、病害虫に強い環境整備について日々研究を重ね、首都圏屈指の生産クオリティを確立した。消費地に近いという地理的アドバンテージを活かし、樹上で極限まで完熟させた果実を提供できる仕組みを作り上げたのだ。
この取り組みは現在、持続可能なアグリツーリズムの成功例として全国の自治体からも熱い視線を浴びている。週末に手軽に土や緑、みずみずしい果実に触れられるスポットとして、地域の観光消費を生み出す強力なエンジンとして機能している。