非通知設定をめぐる実態を調査すると、利用者が直面する思わぬ落とし穴や、生活上のジレンマが浮き彫りになってきます。
大手SNSやネット掲示板に寄せられた相談事例を精査すると、「就職活動中に企業の採用担当者から非通知で合否連絡が入り、着信拒否していたため面接のチャンスを逃した」「急病で救急搬送された家族の付き添い医師が、院外から連絡してきたが繋がらなかった」といったトラブルが少なからず報告されています。防犯意識を高めるあまり、すべての非通知着信を機械的に遮断してしまうと、こうした稀に発生する緊急連絡を逃すリスクを孕んでいます。
通信機器の販売現場でカスタマーサポートを担当するスタッフは、次のように現場の実情を明かします。
「高齢の親御さんを持つ方から『実家に怪しい非通知電話が頻繁にかかってきて困る』という相談が非常に増えています。固定電話の場合、ナンバーディスプレイと迷惑電話おことわりサービスの契約をセットで行わないと非通知を弾けません。また、スマホをお使いのシニア層では、意図せず通話設定アプリを触ってしまい、自ら非通知発信モードにしたまま『相手が誰も電話に出てくれない』とショップに駆け込んでくるケースが後を絶ちません」
自らのプライバシー保護と、受信側の安心感はトレードオフの関係にあります。非通知発信は自己防衛の手段である一方、現代社会において非通知通話を受信・応答する心理的ハードルはかつてないほど高まっています。
【プロの結論】非通知設定の活用をおすすめできる人・見送るべき人の特徴
防犯ジャーナリストおよび通信エディターの知見から導き出した、設定の推奨基準は以下の通りです。
▼非通知遮断・個別非通知発信を活用すべき人
- 日頃から営業電話や無言電話の着信履歴にストレスを感じている人
- フリマアプリの直接取引や、一時的な問い合わせで相手に個人の携帯番号を知られたくない人
- 固定電話を所有しており、特殊詐欺や空き巣の下調べ電話から家族を守りたい世帯
▼一括での非通知着信拒否を見送るべき人(または一時解除すべき人)
- 就職活動・転職活動中で、企業からの選考連絡を待っている求職者
- 高齢の親族が入院中、あるいは要介護状態にあり、病院や介護施設からの突発的な連絡を受ける可能性がある人
- 警察や自治体の福祉関係窓口と日常的に連絡を取り合っている人