結論から述べると、日本国内においてタトゥー施術を行うための国家資格や公的な免許制度は存在しません。医師免許がなければ施術できないのかという長年の議論については、2020年9月の最高裁判所判決により「タトゥー施術は医行為に当たらない」として無罪が確定しました。
この裁判の確定により、タトゥー施術の法律上の位置付けは「医療」ではなく「美術的・装飾的な表現行為」として明確化されました。ただし、何の手続きもなく野放しで営業できるわけではありません。法規制が空白であるからこそ、施術者が負うべき民事上の責任や衛生基準への要求は年々厳格化しています。
現在、国内の主要なタトゥー事業者や一般社団法人日本タトゥーイスト協会(JTA)などは、自主的な衛生管理基準を策定しています。血液媒介感染症(B型・C型肝炎、HIVなど)を予防するためのオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)導入や使い捨て針の徹底、同意書の取得など、医療レベルに匹敵する安全管理を証明できなければ、スタジオの看板を掲げて顧客の信頼を得ることは不可能です。