インターネット上の掲示板や医療口コミサイトを覗くと、JA愛知厚生連江南厚生病院の評判はまさに賛否が二極化しています。高評価の多くは「一命を取り留めた」「高度な医療機器とチーム医療で原因不明の病気が判明した」という救命救急や難病治療に対する深い感謝です。その一方で、低評価の大部分を占めるのが「予約時間から2時間以上待たされた」「医師の対応が事務的で冷たく感じた」という待ち時間とコミュニケーションに関する不満です。
この激しいギャップが生じる最大の背景には、同院が担う医療機能の構造があります。江南厚生病院は「地域医療支援病院」および「地域がん診療連携拠点病院」に指定されており、地域の診療所(クリニック)やかかりつけ医から紹介された重症・急性期患者を専門的に診療する病院です。厚生労働省が推進する「外来機能の分化」に基づき、緊急度の高い手術や入院治療、専門的検査にリソースが集中配分されています。
現場を取材した医療関係者は次のように内情を明かします。「外来の予約枠は綿密に組まれていますが、重篤な救急患者の緊急手術や入院患者の急変が入ると、担当医はそちらへ駆けつけざるを得ません。結果として外来の診察がストップし、予約時間が大幅に後ろ倒しになるケースが日常的に発生します」。つまり、待ち時間の長さは医師の怠慢ではなく、急性期医療の宿命的なトリアージ(緊急度判定)が働いた結果です。江南厚生病院の口コミの真相を正しく読み解くには、この病院が「軽症者がふらりと立ち寄る街角のクリニック」ではなく、「命の瀬戸際を救う最後の砦」であるという前提を認識する必要があります。