インターネットの検索窓に「シリコンスチーマー」と打ち込むと、サジェストに現れる「危険性」「体に悪い」「有毒」といった不穏なキーワード。こうした噂の発端は、主にプラスチック製品から溶出が懸念される環境ホルモン(ビスフェノールA=BPAなど)や、プラスチック加熱時の独特な臭気との混同にあります。
シリコンスチーマーの主原料である「シリコーンゴム(シリコーン樹脂)」は、ケイ素(Si)と酸素(O)が交互に結合したシロキサン結合を骨格とする高分子化合物です。石油由来の一般的なプラスチックとは分子構造が根本から異なり、医療用カテーテルや乳幼児の哺乳瓶の乳首にも広く採用されている生体適合性の高い素材です。
日本の食品衛生法(器具及び容器包装の規格基準)においても厳格な溶出試験が義務付けられており、国内の正規ルートで流通している製品は鉛やカドミウム、重金属などの有害物質試験をクリアしています。製品スペックに記載された耐熱温度(概ね220℃〜260℃)および耐冷温度(-40℃〜-20℃)の範囲内であれば、電子レンジ調理によって素材が溶け出したり、発がん性物質が食品に移行したりすることは科学的に否定されています。
ただし、油分を多く含む肉の脂身や揚げ物の再加熱では、油の温度が瞬間的に300℃以上に達することがあります。耐熱温度を超えた加熱を行うとシリコーンが熱劣化し、白化や破損の原因となるため、油分の過剰加熱だけは厳密に避ける必要があります。