日本のモグラが絶滅の危機?激減の真相と環境省レッドリストの衝撃

日本のモグラが絶滅の危機?激減の真相と環境省レッドリストの衝撃

日本のモグラが絶滅の危機?激減の真相と環境省レッドリストの衝撃について知っておくべき 注意点を分かりやすく解説いたします。

モグラの生態に関しては、古くから流布している都市伝説や誤解が数多く存在します。生態系の保全を正しく理解するためにも、これらの誤った認識を正す必要があります。

誤解①:「モグラは日光を浴びると即死する」
童話などで有名なこの俗説は完全な誤りです。モグラの視力は退化しており、明暗をわずかに感知する程度ですが、日光の紫外線そのもので死亡することはありません。地上に出て死んでいるモグラが見つかるのは、縄張り争いに敗れて地上へ逃げ出したが穴に戻れず、体温調節がうまくできずに熱中症や脱水症状を起こしたか、激しい運動によるエネルギー枯死(餓死)を起こしたためです。

誤解②:「モグラは畑の野菜や根菜を食べて食い荒らす」
モグラは完全な肉食(食虫目)であり、植物性の野菜やイモ類を食べることは一切ありません。農作物が食害される本当の犯人は、モグラが掘ったトンネルを後から利用して侵入したハタネズミなどのネズミ類です。モグラ自身はむしろ、畑の土中にいるヨトウムシやコガネムシの幼虫など、農業害虫を大量に捕食してくれる益獣としての側面も併せ持っています。

誤解③:「どこを掘ってもモグラはいくらでも湧いてくる」
モグラは極めて強い縄張り意識を持ち、1頭が広大な地下トンネルを単独で維持しています。春の繁殖期以外は同種であっても激しい殺し合いを演じるため、1反(約1,000平方メートル)の畑に生息しているモグラは実際には1〜2頭程度に過ぎません。一度その土地の環境が破壊されて絶滅すると、自然復活することは極めて困難な繊細な生き物です。

【プロの結論】共存のための判断基準|見守るべきケースと適切に対処すべき条件

土壌生態学および保全生態学の観点から導き出される、人間とモグラの健全な境界線(バウンダリー)の判断基準は以下の通りです。

【見守る・共存すべきケース】

  • 家庭菜園の周辺や一般の庭:モグラが掘削することで土壌に空気が送り込まれ、団粒構造が発達して土が肥沃になります。また害虫の幼虫を駆除してくれるため、直接的な作物の倒伏被害がない限り、過度な排除は不要です。
  • 山間部や自然林隣接エリア:ミズラモグラなど希少な日本固有種が生息している可能性が高いため、捕獲器の設置は避け、物理的な仕切り(波板の埋設など)で敷地への侵入を防ぐ手法が推奨されます。

【慎重かつ計画的に対処すべきケース】

  • 水田のあぜ(畦畔):あぜ道の貫通による漏水は稲作に致命的な被害を与えます。この場合も、殺処分を目的とするのではなく、あぜシートの埋設や忌避剤(木酢液・唐辛子成分)の散布によってトンネルルートを迂回させる防御策が最も持続可能です。
中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。