地域に根付いていた大型ロードサイド店舗が閉店に至った最大の要因は、メディア消費環境の劇的な構造変化にあります。かつて三洋堂書店大安寺店の大きな収益柱であった「レンタルコミック」および「レンタルビデオ・DVD」の需要は、動画配信サブスクリプション(NetflixやAmazonプライム・ビデオなど)やマンガアプリの普及によって市場全体がピーク時から約70%以上縮小しました。
書店業界関係者の証言によると、特に郊外バイパス沿いの大型書店は、書籍の販売マージン(約22%前後)だけでは広大な敷地の賃料や光熱費、人件費を維持することが極めて困難になっています。大安寺店も、書籍・文具販売に加えてレンタル、古本買取、ゲーム販売を組み合わせた複合モデルで運営されていましたが、主力商材のデジタル移行が想定以上のスピードで進んだことが撤退の決定打となりました。
国道24号周辺というアクセスの良さを誇る店舗跡地については、広大な敷地面積と充実した駐車場を活かし、地域の生活利便性を支える商業施設やロードサイド型サービス店舗へと転換が進められています。マイカーでの来店動線が確立されている立地特性から、跡地活用においても一定の集客力を持つ別業態が受け皿となっているのが現状です。