スクリーンで圧倒的なオーラを放つセクシーな顔の芸能人たちを精査すると、彼ら・彼女らが決して単一の「美人・イケメン枠」に収まっていない事実に突き当たります。自著やロングインタビューで語られる言葉の端々、そしてカメラの前に立つ際の振る舞いには、意図的にコントロールされた表現技術が垣間見えます。
女性の筆頭として長年名前が挙がる石原さとみさんや小松菜奈さんの表情設計は好対照です。石原さんの魅力は、誰もが目を奪われる豊満な唇と、会話中にふと緩む口角に宿る生命力にあります。かつて本人が美容誌の特集で明かした「リップメイクに対する徹底したこだわり(複数のリップを重ねて自分の色を作る)」は、まさに前章のぽってり唇の理論を体現したものです。
一方、小松菜奈さんに代表されるアンニュイな色気は、独特の三白眼と伏し目の残心によって構築されています。映画の記者会見でも、カメラに対して真正面から笑顔を振りまくだけでなく、顎をわずかに引き、視線を一度下に落としてからスッと持ち上げる動作が記録されています。この「目線の遅延」が、観客に対して強い神秘性を印象づけているのです。
男性芸能人の文脈に目を向けると、綾野剛さんや横浜流星さんの顔立ちが極めて示唆的です。目元のシャープな切れ長感と、直線的な鼻筋という冷徹なベースに対し、喋り出す瞬間の柔らかい唇の動きや、どこか翳(かげ)りのある憂いを帯びた眼差し。ある映画制作関係者は「彼らはモニターチェック時、ライトが瞳に落ちる影の角度まで緻密に計算している」と証言しています。単なる骨格の良さではなく、光と影の使い手であることが、セクシーさを一流の表現へと昇華させています。