敦賀気比出身の打者を象徴する言葉がある。「バットコントロールとフルスイングの同居」だ。ボストン・レッドソックスで勝負強さを発揮する吉田正尚は、その真骨頂と言える。小柄な体躯を微塵も感じさせないスイングスピード。そして三振を滅多に喫しない驚異的な選球眼。高校時代に徹底して叩き込まれた下半身主導のアプローチが、最高峰のメジャーリーグでも異彩を放つ。
オリックス・バファローズで安打を量産する西川龍馬もまた、球界屈指の天才打者として異彩を放つ。悪球すらもヒットゾーンへ運ぶ独特の感覚。型にはめ込まず、選手個々の感性とスイング軌道を限界まで伸ばす気比の育成環境が生み出した傑作だ。投手の組み立てを打ち砕く「気比型スイング」は、現代プロ野球の配球論すら塗り替えつつある。