岩牡蠣と真牡蠣の違いを徹底比較!旬や味と「あたる確率」の真相

岩牡蠣と真牡蠣の違いを徹底比較!旬や味と「あたる確率」の真相

岩牡蠣と真牡蠣の違いを徹底比較!旬や味と「あたる確率」の真相の特集記事をご紹介します。役立つ情報が満載です。

「海のミルク」と称される牡蠣だが、日本国内で流通する主要な牡蠣は、秋から春にかけて流通する「真牡蠣」と、初夏から初秋にかけて出回る「岩牡蠣」に大別される。この2種類が異なる時期に最も美味しくなる背景には、それぞれの産卵行動と生育環境の劇的な違いがある。

真牡蠣は、水温が上昇する初夏から夏にかけて一斉に産卵を行う。産卵を終えた後の身はエネルギーを使い果たして水っぽく痩せ細り、グリコーゲンなどの旨み成分が激減してしまう。そのため、産卵に向けてたっぷりと栄養を蓄え、身が肥え太る10月から翌年4月にかけての冬期が最も美味しい旬となる。「Rのつかない月(May, June, July, August)は牡蠣を食べるな」という欧米の古い格言は、まさにこの真牡蠣の産卵サイクルに由来している。

これに対し、岩牡蠣はまったく異なる繁殖戦略をとる。岩牡蠣の産卵期は5月から8月頃の夏場だが、一度に卵や精子を放出し切る真牡蠣とは異なり、数ヶ月の時間をかけて少しずつ数回に分けて産卵を行う。そのため、夏場であっても身が極端に痩せ細ることがなく、むしろ産卵のために蓄えられた豊富なグリコーゲンやアミノ酸を維持したまま、分厚くクリーミーな肉質を保ち続ける。これが、岩牡蠣が「夏牡蠣」として珍重される生物学的な理由である。

さらに、出荷に至るまでの「育成期間」も両者で大きく異なる。真牡蠣は養殖技術が高度に確立されており、栄養豊かな内湾の筏(いかだ)から吊るされ、約1年から2年という驚異的なスピードで出荷サイズまで急成長する。一方の岩牡蠣は、外洋の荒波が打ち寄せる岩礁地帯の海底深くに生息し、じっくりと時間をかけて育つため、市場に出荷できる手のひらサイズになるまでに3年から5年以上の歳月を要する。この圧倒的な生育時間の差が、岩牡蠣の重厚な殻と分厚い筋肉質な身を生み出している。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。