洗練されたリゾートを目指す一方で、館内には思わずクスリと笑ってしまうような強烈な個性が同居している。その象徴が、敷地内に堂々と鎮座する本物の旧国鉄気動車「キハ27」だ。
かつて北の大地や山岳路線を駆け抜けたディーゼルカーが、そのままカラオケラウンジやラーメン処として第二の人生を送っている。薄暗い車内に足を踏み入れれば、昭和の風情を残すボックスシートや網棚がそのまま残されており、まるでタイムスリップしたかのような錯覚に陥る。
現代の均一化されたデザインホテルには絶対に真似できない、オーナーの偏愛と遊び心。「完璧に整えられすぎた空間」に息苦しさを覚える現代人にとって、この愛すべき無骨さとノスタルジーは、何物にも代えがたい安らぎをもたらしてくれる。