ロイヤリティをほとんど徴収しない仕組みで、親会社である山崎製パンにどのようなメリットがあるのか。ここに製パン業界最大手ならではの極めて合理的なサプライチェーン戦略が隠されています。
山崎製パンは、自前の強固な配送トラック網(ルートセールス網)を日本全国の津々浦々まで網の目のように張り巡らせています。大手コンビニ各社にも毎日大量のパンを卸していますが、自社系店舗であるYショップが存在することで、次のような構造的メリットを享受しています。
- 配送のラストワンマイルの効率化:すでに配送車が通るルート上にある集落や施設にYショップがあれば、トラックの積載効率と配送効率を高められる。
- 自社製品の直販チャネル確保:大手コンビニによるプライベートブランド(PB)シフトが進むなか、山崎製パンのNB(ナショナルブランド)商品をフルラインナップで並べられる拠点として機能する。
- 競合他社が入れないニッチ立地の面制圧:過疎地、自衛隊駐屯地、工場内、学校など、大手コンビニが進出できない小規模商圏を確実に押さえることができる。
つまり、山崎製パンにとっては「ロイヤリティで儲ける」必要はなく、「自社のパンや菓子、飲料などの製造品を安定して買い取ってもらう卸先」として成り立っていれば十分に採算が合う仕組みなのです。