激動するライブ・エンターテインメント産業のなかで、生の舞台が持つ価値はかつてないほど高まっている。重厚な響きを堪能するクラシックコンサートから、人間の情念を赤裸々に描く演劇、さらには気鋭のコンテンポラリーダンスまで、三重で展開される舞台芸術のクオリティは全国水準を見事に維持している。
デジタル配信が日常化した時代だからこそ、同じ空間で他者と感動を共有する体験は替えが利かない。劇場の扉が開いた瞬間の高揚感、演者と観客が一体となって創り出す濃密な空気感は、劇場というリアルな器が存在して初めて成立するものだ。