「弁当忘れても傘忘れるな」という北陸地方に古くから伝わる格言は、現代の都市生活においても決して色褪せない真理である。石川県金沢市にある金沢地方気象台の観測記録や市内各所のアメダスデータを追っていくと、年間降水量や降水日数の多さが数字として如実に浮かび上がる。予報画面で曇りマークが並んでいても、短時間の小雨(いわゆる「時雨」)が頻繁に街を横切るのだ。
アメダスが記録する微細な風向の変化は、雨の到来を告げる決定的なサインとなる。西寄りの風から北西の風へとシフトした瞬間、冷たい湿気が一気に市街地を包み込む。軽量な折りたたみ傘を常に携帯するのはもちろん、リュックやビジネスバッグ自体を水濡れから守る撥水カバーを忍ばせておくのが、この街を賢く歩くための鉄則と言える。