岩手のメディア環境を語る上で欠かせないのが、民放の雄であるIBC岩手放送と、公共放送である日本放送協会の健全なライバル関係だ。ラテ兼営局として半世紀以上の歴史を誇るIBCが培ってきた圧倒的な地域密着ネットワークに対し、NHKは圧倒的な機動力と深度ある調査報道で対抗する。
両者の熾烈な取材合戦は、結果として岩手県全体の報道クオリティを底上げしてきた。事件・事故の初動対応はもちろん、地元経済の再生や人口減少問題といった構造的なテーマに至るまで、双方が異なる切り口から鋭く切り込む。互いをリスペクトしつつも決してスクープを譲らない現場の緊張感が、質の高いローカル報道番組を次々と生み出す原動力となっている。