現在公表されているキンタローモノマネレパートリー一覧を紐解くと、その数は実に100人を超えています。かつて日本テレビ系『ものまねグランプリ』等で披露していた正統派の歌まねやダンス模倣から、近年見せるシュールレアリスムの領域に達した顔まねまで、その進化の歴史はまさに彼女の芸人魂の変遷そのものです。
初期の金字塔であるキンタローものまね前田敦子では、アイドルの王道スマイルとダイナミックなキレキレダンスを掛け合わせることで爆笑をかっさらいました。その後、大島優子さんやきゃりーぱみゅぱみゅさん、剛力彩芽さんといった当時の旬のアイコンを次々と射程に収めていきました。この時期のネタは「特徴を過激にデフォルメする」という王道のパロディ手法に立脚していました。
ところが近年の彼女は、人類の枠組みすら飛び越えつつあります。映画『E.T.』や『チャイルド・プレイ』のチャッキー、さらには北大路欣也さんやトランプ前米大統領といった大物政治家・重鎮俳優に至るまで、性別や人種、フィクションと現実の垣根を軽々と飛び越えています。ダンス講師の経験に裏打ちされた驚異的な体幹と、自らの骨格を自在に変形させているかのような表情筋のコントロールが、この無軌道なレパートリー展開を技術面から支えています。