第1104話の幕開けは、前話のラストで振り上げられた「怒りの拳」の直撃から始まります。自我を完全に失い、自爆スイッチすら起動させられていたはずのバーソロミュー・くまが、遠く離れたカマバッカ王国からレッドラインを越え、ボニーの絶対絶命の危機に駆けつけた奇跡――その事象そのものが、海軍科学班のトップであるDr.ベガパンクを戦慄させました。
全身全霊、武装色と覇気をまとわせたくまの巨大な拳がサターン聖の顔面に直撃した瞬間、物理法則を無視するかのような爆音とともに、五老星の一角がエッグヘッドの研究所の建造物を幾重にも突き破り、瓦礫の下へと吹き飛ばされました。かつて天竜人に虐げられ、バッカニア族の血ゆえに奴隷として生かされ、愛するジニーを奪われ、ボニーの病を治す代償として人間兵器「パシフィスタ」へと改造されたくまの半生。そのすべての無念と親心が凝縮された拳の重みは、読者の胸を激しく打ちました。
現場の海兵たちが「五老星に手を上げた」事実に言葉を失い恐慌状態に陥るなか、くまは倒れ込みながらも、幼き娘ボニーを優しく抱きしめます。ボニーが流した大粒の涙と「ありがとう、お父さん」の言葉は、1095話から続いた壮絶なくまの過去編に刻まれた、あまりにも尊い救済の結末となりました。