陸上ファンが真っ先に把握しておくべき軸となるのが、緻密に組まれた世界陸上選手権日程と競技ごとのタイムスケジュールです。大会組織委員会および世界陸連の公式発表資料によると、近年のタイムテーブルは選手のリカバリー期間を最大限に確保しつつ、世界中のゴールデンタイムでの視聴率を最大化する「スプリット・セッション方式」が定着しています。
午前中の予選セッションと夕方以降の準決勝・決勝セッションが明確に分離された世界陸上タイムテーブルは、コンディション調整の難易度を跳ね上げました。特に気温や湿度の変化が激しい屋外トラックにおいて、短距離走や中長距離走のアスリートはわずか数時間での心身の再起動を余儀なくされます。
そして今、最も現場で議論を呼んでいるのが世界陸上日本代表内定選手をめぐる選考の厳格化です。日本陸上競技連盟(JAAF)が設定する選考基準は、世界陸連が定める極めて高い世界陸上参加標準記録の突破、または世界ランキング(Road to Major Championships)における上位枠の獲得が絶対条件となります。
関係者の証言によると、標準記録の突破期限が前倒しされたことで、春先の日本選手権や主要国際グランプリでの「一発勝負の重圧」は過去の比ではありません。有力選手であってもピークの持ってくる時期を誤れば代表権を逃すシビアな選考構造が浮き彫りになっています。