この現象は、単なる一過性の流行にとどまらない。シャッター通り化に悩んでいた地方の商店街や、大型観光バスが立ち寄れない隠れた観光地にとって、絶好の経済起爆剤となっているのだ。
従来の観光ツアーは、有名スポットに集中しがちだった。しかし、小回りの利くモビリティで散策する参加者は、入り組んだ細い路地にある老舗の和菓子店や、地元の人が愛する小さな食堂にまで足を延ばす。結果として、地域全体に満遍なく観光消費が落ちる仕組みが生まれている。
富山県や静岡県の沿岸部では、地元の自治体が主導して専用の推奨ルートマップを策定した。参加店舗ではテイクアウト可能な限定メニューの開発が進み、週末ごとに通常の数倍の売上を記録する店舗も珍しくない。地域資源を再発掘する強力なフックとして、全国の観光推進担当者が熱い視線を注いでいる。