生態系のバランスを取り戻す試みとして、クラゲの天敵生物に着目した研究と保全も進んでいます。自然界においてクラゲを好んで捕食するのは、硬い皮膚と甲羅を持つウミガメ類や、厚い皮と鋭い歯でクラゲを突っつくカワハギ・ウマヅラハギ、マンボウなどです。沿岸域におけるカワハギ類の資源保護や増殖は、ミズクラゲのポリプや成体を自然淘汰させる有効な防波堤として期待されています。
さらに近年は、テクノロジーを活用したハイテク対策が実用段階に入っています。沿岸に設置した高精細カメラやドローン映像から、AI画像認識を用いてクラゲの群れの規模と移動軌跡をリアルタイム解析する早期警戒システムが稼働しています。漁船と連携した洋上での大型破砕船の自動誘導や、環境負荷の少ない超音波発信によるクラゲの遊泳制御など、被害を未然に防ぐスマート防災技術の確立が急ピッチで進められています。