漢字の成り立ちや古代文字の研究で知られる偉大な学者、白川静の学説を紐解くと、漢字が本来持っていた象形性や物語性が浮かび上がる。
文字そのものが図象であり、祈りや風景を内包していたという視点は、視覚文化の中心にいる若者世代の感性と驚くほど親和性が高い。国語学・語彙学習の領域においても、従来の単なる暗記主義から脱却し、文字の形や響きから受ける感覚的な情操を重視するアプローチが脚光を浴びている。
漢字を「覚えるべき記号」ではなく「鑑賞すべきデザイン」として捉え直す動きは、語彙力の獲得を苦痛から楽しみに変える可能性を秘めている。文字の歴史的ルーツを知ることで、SNS上の可憐な表現にも深みが加わるのだ。