紙の書籍という枠組みを超え、彼女の言葉は現代の主要なエンターテインメント空間へと浸透している。従来の出版業界におけるヒットにとどまらず、近年ではNetflixなどの世界的な動画配信サービスや、NHKオンデマンドをはじめとする国内アーカイヴ空間において、彼女の歌や言葉世界を原案・モチーフとした映像作品やドキュメンタリーの企画が相次いで動いている。
文字による情景描写が、映像表現と共鳴したときに生まれる新しい没入感。短歌が持つ「語られない余白」の美学は、映像制作陣にとっても極めて刺激的なクリエイティブの源泉となっている。言葉が画面を越えて視聴者の心へと届く瞬間、伝統的な定型文芸はまったく新しい価値を獲得するのだ。