英語圏で年末の別れ際に交わされる「Happy New Year!」は、正確には「I wish you a happy new year.(良い新年をお迎えください)」という未来への祈念を省略したフレーズです。クリスマス直後から大晦日にかけて使われるのが通例であり、年が明ける前から使用することに何ら矛盾はありません。
一方で、多くの翻訳ツールが「happy new year in japanese」の訳語として真っ先に出力する「明けましておめでとうございます」は、文字通り「年が明けた(=新年が無事に始まった)」という既成事実を祝う言葉です。ここにHappy New Year日本語訳の真相における最大の断絶が存在します。12月31日の日中に「明けましておめでとうございます」と発言することは、日本語の文法および時間の認識として明確な誤用になります。
言葉の成り立ちを紐解くと、かつての日本人は「年神様(としがみさま)」を無事に迎えられた奇跡と安寧を元旦に祝い合いました。厳しい冬を越え、無事に新しい年を迎えられたことへの安堵と感謝が込められているからこそ、年が明ける前の段階で口にすることは忌避されてきた背景があります。これが、明けましておめでとうございますの使い分け理由の根幹です。