ウルフマンのルックスとキャラクター造形を語るうえで欠かせないのが、昭和の大横綱である第58代横綱・千代の富士の存在です。筋肉質で精悍な体つきから「ウルフ」の愛称で日本中を熱狂させた千代の富士は、作者であるゆでたまご両氏(嶋田隆司氏・中井義則氏)にとっても強烈なアイコンでした。当時の大相撲ブームと千代の富士の圧倒的なスピード感を反映し、力士=巨漢というステレオタイプを覆す超人としてウルフマンが生み出されたのです。
一方で、往年のファンを長年賑わせてきたのが「アニメ版でなぜ名前が変わったのか」という疑問です。1983年に放映が開始された初代TVアニメ版では、原作のウルフマンという名称が使われず、「リキシマン」というアニメオリジナル名に変更されました。
この改名の主たる理由は、当時現役バリバリのトップ横綱であった千代の富士関の登録商標・愛称への配慮や、玩具展開・メディアミックスにおける著作権管理上の都合によるものでした。原作漫画では「ウルフマン」、アニメでは「リキシマン」と呼ばれたことで、当時の子どもたちの間では呼称を巡る論争が巻き起こったほどです。しかし、名前に違いはあれど、四股を踏んで土俵を守り抜くジャパニーズ・スピリットは両者共通の魂として受け継がれています。