なぜガールズバーはカウンター越しでしか接客しないのか。この疑問の答えは、店舗の営業形態と「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)」の厳格な規定にあります。
夜間の酒類飲食店は、主に以下の2つの法的区分に分かれています。
ガールズバーの大半は、朝まで営業するために「深夜酒類提供飲食店営業」として警察署に届け出ています。この営業区分では、風営法が定める「接待行為」が法律で一切禁じられています。警察庁の解釈基準における接待行為とは、「客の隣に座って談笑する」「客と手を握るなどの身体接触を行う」「客とデュエットでカラオケを歌う」「客に酌をしながら特定の客に付きっきりで歓楽を提供する」といった行為を指します。
そのため、ガールズバーでは法的な「接待」とみなされないよう、物理的な境界線としてバーカウンターを設置し、「あくまでバーテンダーとしてカウンター越しにお酒を作り、一般的な会話を提供している」という建前を維持しているのです。
一方、スナックは店舗によって立ち位置が異なります。深夜0時前に閉店する店や歓楽街の路面店では「風俗営業1号許可」を取得し、ママやスタッフが客の隣のボックス席に座ってカラオケを一緒に歌ったり、お酌をして濃密なコミュニケーションを提供する店舗が存在します。他方で、住宅街などで深夜まで営業するスナックは深夜酒類届出で運営し、カウンター越しに付かず離れずの距離感でもてなすスタイルをとっています。