大手コミュニティサイトやSNS、ペット相談窓口に寄せられる飼い主の生の声を取材すると、飼育前に想像していた理想と現場のリアルの間に深いギャップが存在することが分かります。
都内の動物病院に勤務するベテラン愛玩動物看護師は、次のように現場の窮状を明かします。
「トイプードルを飼われた方の相談で最も多いのは、『分離不安症による留守番時のパニック』と『毎日のブラッシング不足による重度毛玉』です。トイは非常に感受性が強く、過剰に甘やかすと飼い主が視界から消えただけで激しく自傷や粗相を繰り返すようになります。また、『毛が抜けないから手入れが楽』と勘違いし、毛玉で皮膚が炎症を起こしてからサロンに駆け込むケースが後を絶ちません」
一方で、スタンダードプードルを迎えた飼い主からは、住環境と物理的制約に関する悲痛な告白が聞かれます。
「大型犬の優雅な暮らしに憧れてお迎えしましたが、雨の日でも1時間の散歩をサボると家の中でエネルギーが爆発します。さらに、乗用車のトランクや後部座席を占領するため、軽自動車から大型SUVへの買い替えを余儀なくされました。老犬期になって自力歩行ができなくなった際、25kgの愛犬を抱えて階段を昇り降りする毎日は想像を絶する重労働でした」(40代・スタンダードプードル飼育歴8年のオーナー手記より)
小型犬の手軽さと大型犬のダイナミズムは、日々の生活動作のすべてにおいて全く異なる現実を飼い主に要求します。