ワイドショーやスポーツ紙を賑わせるタレント・文化人の客員教授就任。学術界では「博士号も持たない人物に教授の肩書きを与えるのはいかがなものか」と批判の声が上がることもありますが、大学側にはそれを補って余りある明確な経営戦略が存在します。
背景にある最大の動機は、18歳人口の急減に伴う「オープンキャンパス集客と受験生確保(大学ブランディング)」です。難関大学であっても知名度の維持にしのぎを削る時代において、テレビ露出の多い著名人が「客員教授」としてパンフレットやWebサイトに掲載される効果は絶大です。数百万円規模の広告出稿を行うよりも、著名人を客員教授として招聘して記者会見を開く方が、メディアでの報道露出(アーンドメディア効果)が格段に高くなります。
同時に、著名人側にも大きなメリットが存在します。「お笑い芸人」「グラビアアイドル」「元プロ野球選手」といった従来のカテゴリーに加え、「大学教授」という知的な権威付けを得ることで、情報番組のコメンテーター枠の獲得、地方自治体の審議会委員への就任、企業研修や講演会での登壇単価向上(1本あたり数十万円から100万円以上へ跳ね上がるケースも確認されています)といった、キャリアの多角化が図れます。双方の利害関係が高度に合致した結果が、芸能人の客員教授ラッシュという現象の正体です。