「ピアスを外して数年経つのに、へそピアス跡がクレーターのように残っている」「黒ずんだ窪みが目立ってビキニが着られない」という悩みは後を絶ちません。なぜ、耳たぶのピアス穴に比べてへそピアスの跡はこれほど残りやすいのでしょうか。その理由は、へそ周りの皮膚構造とホールの「上皮化(じょうひか)」にあります。
ピアスホールが完成した状態とは、傷口の内側に皮膚の表面と同じ表皮が張り巡らされ、トンネル状の組織として完成した状態を指します。人間の体は、異物(ピアス)が抜かれた後も、すでに完成した表皮同士を自然に癒着・閉塞させることは基本的にありません。結果として、ジュエリーを外しても皮膚のトンネル(瘻孔・ろうこう)がそのまま残り、内部に皮脂や角質が溜まって酸化し、黒ずみや窪みとして定着してしまいます。
さらに、へそ周りは日常的な屈伸運動や衣類のウエストゴムによる摩擦、腹圧などの強い張力が常にかかる部位です。この継続的な物理刺激が炎症を引き起こし、傷跡が赤く盛り上がる「肥厚性瘢痕」や、メラニン色素の沈着を招きやすい環境を作り出しています。