足の小指(第5趾)の腹が真下を向かず、90度近く横に回転して爪が外側を向いてしまう状態を「寝指」と呼びます。多くの方が単なる癖や体質と勘違いしていますが、解剖学的には「足指の筋力低下と足裏アーチの崩壊によって、指をまっすぐ接地する力を失った状態」です。
臨床の現場でよく混同されるのが「内反小趾(ないはんしょうし)」との違いです。両者は合併することが非常に多いものの、発生のメカニズムと変形の軸が異なります。
- 内反小趾:小指の付け根(第5中足趾節関節)から指先が親指側へ「くの字」に曲がる横方向の角度変形。付け根の外側に骨の突出が生じ、靴に当たって摩擦熱や炎症を起こしやすい。
- 寝指:指自体が長軸方向に捻じれ(回外)、指の腹ではなく側面で接地してしまう回転変形。爪が真上ではなく真横を向くのが決定的な特徴。
足病専門クリニックの報告によると、成人の足部トラブル相談者のうち約6割以上に寝指または内反小趾の兆候が見られるとされています。特に小指は足の中で最も小さく脱力しやすいため、わずかなアーチの乱れが直接的な倒れ込みへと発展します。