旅行サイトや大手ポータルサイトの広告枠上位に並ぶ大型チェーン店と、地元住民が足繁く通う「本当の名店」の間には、明確なギャップが存在します。福山市の夜の街を定点観測する飲食業界関係者や現地取材班の調査によると、地元民から圧倒的な支持を集める酒場には「瀬戸内海の旬魚に対する目利き」と「備後ならではの甘辛い味付け文化の継承」という2つの共通項が見られます。
福山港や近隣の鞆の浦から水揚げされる魚介類は、潮の流れが速い瀬戸内海特有の身の締まりが特徴です。特に初夏から秋にかけての小イワシや、備後地方独特の小魚「ネブト(テンジクダイ)」の唐揚げ、そして「チイチイイカ(ベイカ)」の煮付けなどは、鮮度管理が味を直結して左右します。地元民に愛される個人店は、独自の仕入れルートを確立しており、手頃な価格帯でありながら割烹レベルの海鮮を提供しています。