原作者の青山剛昌が描き出す物語の中で、毛利小五郎は単なる道化役にとどまらない。普段は酒好きでドジ、競艇に熱中するダメ親父だが、元警視庁捜査一課の刑事という経歴は伊達ではない。柔道の達人であり、愛する家族や友人が危機に直面した際に見せる集中力と観察眼は本物だ。推理アニメというジャンルにおいて、コナン(工藤新一)の天才的な推理を引き立てつつ、物語に人間味を与える不可欠なピースとなっている。
青山剛昌も小山力也の演技力を高く評価しており、原作の展開に合わせて小五郎の見せ場を意図的に増やすこともあったという。破天荒でありながら憎めない、人間味あふれる探偵像。声優の演技が原作のキャラクター像すらも豊かに育んでいく好例となった。