後頭部のしこりを押すと痛い原因は?受診すべき診療科と危険な病気の兆候

後頭部のしこりを押すと痛い原因は?受診すべき診療科と危険な病気の兆候

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後頭部のしこりを押して痛む場合、その本質的な原因は「皮下組織の急性炎症」または「周辺神経への機械的圧迫」のいずれかに集約されます。皮膚の浅い層から深部組織に至るまで、痛みのトリガーとなる代表的な病変は以下の通りです。

臨床現場で最も頻繁に診断されるのが後頭部リンパ節炎です。後頭部から首の付け根にかけては複数のリンパ節が配置されており、頭皮の擦過傷、ニキビ、あるいは上気道感染(風邪や咽頭炎)を契機に細菌やウイルスが侵入すると、免疫防御のためにリンパ球が急増して腫脹します。カプセル状のリンパ節被膜が急激に引き伸ばされるため、指で押した際に明瞭な圧痛(押すと痛む症状)を伴うのが顕著な特徴です。

次に頻度が高い疾患として粉瘤(アテローム)の後頭部発生が挙げられます。皮膚の内側に角質や皮脂を蓄積する嚢腫(袋)が形成される良性腫瘍ですが、後頭部は皮脂腺が多く毛髪に覆われているため雑菌が侵入しやすい環境にあります。細菌感染を伴う「炎症性粉瘤」へと移行すると、内部に膿が貯留して赤く腫れ上がり、わずかな接触でも激痛を走らせます。

さらに、毛根を包む毛包に黄色ブドウ球菌などが感染する毛嚢炎(毛包炎)も頭皮のしこりとして頻出します。初期は小さな丘疹ですが、炎症が毛包周囲深部に及んで「せつ(癤)」や「よう(癰)」に悪化すると、硬い結節となり激しい自発痛と圧痛を生じさせます。一方で、柔らかい良性腫瘍の代表格である後頭部の脂肪腫は通常無痛性ですが、増大して周囲の末梢神経を物理的に圧迫している場合や、血管成分を豊富に含む「血管脂肪腫」である場合は、押した際に痛みを引き起こすことがあります。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。