生理前の激しい眠気を引き起こす最大の主犯格は、女性ホルモンの一つであるプロゲステロン(黄体ホルモン)だ。排卵後から生理が始まるまでの黄体期にかけて、体内ではプロゲステロンの分泌量が急激に跳ね上がる。
このプロゲステロンには、胎児を育てるために基礎体温を通常より0.3〜0.5度ほど押し上げる作用がある。人間は本来、夜間に「深部体温」が下がることで深い睡眠に入る仕組みを持っている。しかし、生理前は高い体温が維持されてしまうため、昼夜の体温メリハリが消え失せ、夜間の睡眠の質が著しく低下する。その結果、昼間に蓄積した疲労と眠気が一気に噴き出すというわけだ。さらに、プロゲステロンが分解される過程で生じる代謝物が脳の受容体に作用し、強力な催眠効果をもたらすことも分かっている。