ゲーム史において『ファイナルファンタジーX』が「FF10 神ゲー 絶賛される理由」として真っ先に挙げられるのは、感情のピークを完璧に計算し尽くした演出とシナリオの妙です。本作のオープニングは、破壊された都市の焚き火を囲む一行の静寂と、名曲「ザナルカンドにて」のピアノ旋律から始まります。「最後かもしれないだろ? だから、ぜんぶ話しておきたいんだ」という主人公ティーダの独白から過去へ遡る倒叙構造は、プレイヤーを瞬時に物語へ引き込みました。
特筆すべきは、物語の中盤以降で明かされる残酷な真実です。スピラを脅かす災厄『シン』を倒すための「究極召喚」は、召喚士自身の命を代償とする特攻儀式に過ぎず、得られる平穏も一時的な「ナギ節」に過ぎないという絶望。異世界から迷い込んだ「無知な部外者」であったティーダが、旅を共にする中でユウナの背負う宿命を知り、徐々に変化していく過程は、プレイヤー自身の精神的成長と完全にシンクロします。
当時の開発スタッフインタビューによれば、野島一成氏による脚本は「旅の終わりを最初から意識させること」を意図して執筆されたと語られています。「いなくなってしまった人たちのこと、時々でいいから、思い出してください」に代表される「ファイナルファンタジーX 名言 感動シーン」の数々は、単なるお涙頂戴のメロドラマではなく、避けられない運命に抗う人間の尊厳を描き切ったからこそ、初見プレイから何十年経っても色褪せない感動を刻み込みます。