大手中古車情報サイトを開くと、2代目インサイト(ZE2型)の支払総額は20万〜50万円前後に集中しています。軽自動車の中古車よりも安いケースが珍しくありません。この極端な価格設定の背景には、単なる経年劣化にとどまらない3つの明確な要因が存在します。
第1の要因は、ホンダ独自のハイブリッドシステム「IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)」のバッテリー寿命問題です。IMAはエンジンを主役とし、薄型モーターがアシストするシンプルなパラレル式を採用しています。新車から12〜17年が経過した現在、搭載されているニッケル水素バッテリーのセル劣化が進行し、メーター内に「IMA警告灯」が点灯する個体が増加しています。警告灯が点灯するとアシストが停止して燃費や加速が著しく悪化し、車検にも通りません。
第2の要因は、2009年のデビュー当時に巻き起こったプリウス(30系)との過酷な価格競争による供給過多です。新車価格189万円という衝撃的な戦略価格で爆発的に売れたため、市場に中古車が大量に供給されました。しかし、フルハイブリッドとしてEV走行が可能なプリウスに対し、モーター単独走行が基本的にできないIMAは技術的見劣りを指摘され、中古車市場でのリセールバリューが急激に下落した歴史があります。
第3の要因は、初期型(2009〜2010年式)に見られるエンジンオイルの異常消費トラブルです。ピストンリングの張力不足やカーボンの堆積により、走行中にオイルが燃焼室へ混入して減ってしまう現象が一部の個体で発生しました。これらを修理・対策しないまま市場に流れた個体が存在することが、「インサイトの中古は買ってはいけない」という警戒感につながっています。