見上げるような高さを誇る横浜ランドマークタワーの足元に広がるこのアトリウムには、緻密な建築思想が息づいている。基本設計を手掛けたのは、アメリカ建築界の巨匠ヒュー・スタビンス。彼が構想したのは、外の街路がそのまま建物内へと連続し、人々が自然と回遊できる「屋内型パブリックスペース」だった。
フロアを歩くと、その意図が明確に伝わってくる。緩やかなカーブを描く回廊、視界を遮らない優雅な手すり、そして上層階へと視線を誘導する巧みなエスカレーター配置。国内有数の規模を誇る商業施設・ショッピングモールでありながら、圧迫感は皆無だ。海からの風や光といった自然の気配を屋内に引き込む開放感は、建築ファンのみならず、ただそぞろ歩きを楽しむ散策者の心をも解きほぐす。