イオングループの歴史は、江戸時代中期の1758(宝暦8)年に三重県四日市で創業された呉服太物商「篠原屋」に端を発します。のちに屋号を「岡田屋」へと改め、地域に根差した商人として代々暖簾を守り続けてきました。
この岡田屋を世界的な巨大流通企業へと飛躍させる原動力となったのが、中興の祖であり実質的な創業者とされる岡田卓也名誉会長相談役です。戦後の混乱期に若くして家業を継いだ卓也氏は、「大樹は風に折れる」「狸と狐の化かし合い(同業他社との無駄な消耗戦を戒める言葉)」といった独自の商業哲学を掲げ、地方小都市の呉服店から脱皮を図りました。
転機となったのは1969年、兵庫の「フタギ」、大阪の「シロ」という有力スーパー2社との歴史的な提携です。3社が対等な立場で合弁会社「ジャスコ株式会社」を設立。この「連邦制経営」という画期的な手法が、のちのマイカル買収やダイエー再建、ウエルシアホールディングスなどの統合を支えるイオングループのDNAとなりました。岡田克也氏の実家とは、まさにこの日本の近代小売史を切り拓いてきた商家の総本山に他なりません。