タイミングの重要性を把握した上で、次なるハードルとなるのが現場での具体的な施用手順です。トウモロコシの根は地表近くに浅く、水平方向に広く張り巡らされる特性を持っています。根元に直接ドカッと肥料を置くような雑なやり方は、高濃度の肥料焼けで根を枯死させる最大の原因となります。
1回目の追肥:本葉5枚〜6枚期(草丈約30〜40cm)
間引きを完了し、1本立ちにした直後のタイミングが目安です。この時期の追肥の狙いは、茎を太く育てて将来の雌穂の器を最大化することにあります。
- 施肥位置:株元から約10〜15cmほど離れた位置(マルチ栽培の場合は植え穴の縁か、マルチの株間に小穴を開けて投入)。
- 施肥量:1株あたり化成肥料(8-8-8)を約15〜20g(軽くひと握り)。条植えの場合は1平方メートルあたり約30g。
- 作業手順:肥料を均一にまいた後、周囲の土と肥料を軽く混ぜ合わせる「中耕(ちゅうこう)」を兼ねて株元に土を寄せる。
2回目の追肥:雄穂の出穂期(雄花が顔を出した直後)
草丈が1mを超え、茎のてっぺんから緑色の雄穂が抽出し始めた瞬間を見逃してはなりません。絹糸が出る前、まさにラストスパートをかける段階です。
- 施肥位置:株元から約20〜30cm離れた条間(通路部分)。この頃には根が通路の真下まで伸びているため、遠くにまくほど効率よく吸肥されます。
- 施肥量:1株あたり約20〜30g。果穂を大きく太らせるための決定的なエネルギー源となります。
- 作業手順:通路全体にバラまき、後述する倒伏防止のための「しっかりとした土寄せ」を同時に実施する。