氷川きよしがファンの前に再び姿を現したのは、2024年8月17日、東京・日本武道館で開催された復帰コンサートでした。2022年の第73回NHK紅白歌合戦で放った「白組でも紅組でもなく、自分らしく歌う」という宣言から数えて、実に1年8カ月。歌声を封印していた期間について、本人は復帰後の会見で「歌うことへの情熱が枯渇しかけていた。一度立ち止まり、一人の人間として呼吸を取り戻す時間が必要だった」と率直に振り返っています。
2026年現在、その活動ペースは休養前を凌駕するほどの濃密さを見せています。東京・明治座をはじめ、新歌舞伎座、博多座、御園座という日本を代表する全国4大劇場での座長公演『復活祭』を完走。芝居とコンサートの2部構成という伝統的な興行スタイルを踏襲しながらも、劇中で披露される楽曲群は演歌にとどまらず、ロック、シャンソン、EDMまで多岐にわたりました。
さらに公式発表資料によると、2026年8月29日のLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)公演を皮切りに、大型全国ツアー『Concert Tour 2026-27〜KIINA'S LAND 2〜』が開幕。9月2日には、長年リスペクトを捧げてきた昭和の歌姫・美空ひばりの名曲群をKIINA.独自の解釈で再構築した本格カバーアルバムが全国リリースされるなど、音楽的探求の手を緩める気配はありません。かつての休養が単なる休息ではなく、表現者としての土台を再構築するための「必然的な変容期間」であったことが、2026年の充実した活動ぶりから窺えます。